【先生×生徒シリーズ】運命のトライアングル





「アヤさんに……アヤさんに謝りたい……」



ううん。


アヤさんだけじゃない。


先生やご主人様にも……。


全てを壊したのは私なんだから……。


止まっていた涙が再び溢れ出す。


手で顔を覆い、嗚咽を吐き出して泣く私をご主人様は優しく抱きしめてくれた。



「ゴメン……なさい……。私の、せいで……」


「凛子のせいじゃないよ。凛子は何も知らなかったんだから……」


「でも……でも……」


「なぁ、凛子?今さら謝ってどうするんだ?もう終わったことだろ?」



私は何も言わず、首を左右に振った。



「それにね、アヤにキチンと話さなかった京介も悪いし、アヤの誘いに乗った俺も悪いんだ。凛子だけが悪いんじゃない。だから凛子は自分を責めなくていい」



私は顔を上げて、ご主人様を見た。


優しい顔で私を見下ろすご主人様。


先生とご主人様は親友だった。


先生の元カノがアヤさんで……。


私は先生の元教え子。


アヤさんは私を先生の浮気相手と勘違いして、先生とアヤさんは別れた。


そして、私は今、先生の親友だったご主人様の元で働いてる。


まるで、それぞれバラバラだった糸が1本に繋がったような……。


先生の言うように、世間はホントに狭いのかもしれない。