「俺が、あの時ちゃんとアヤのことを紹介してれば良かったな……」
私の頭を優しく撫でながらそう言ったご主人様。
「凛子?」
ご主人様に名前を呼ばれ、顔を上げてご主人様を見た。
「今度は俺の話を聞いてくれないか?」
私は“コクン”と頷いた。
ご主人様の話って、何だろう……。
ご主人様は、椅子から立ち上がって、ベッドの縁に腰をかけた。
“ギシッ”とベッドが鳴いて揺れる。
「あのな、凛子……」
「はい」
「昨日、俺が話したこと覚えてる?」
「はい……」
アヤさんはご主人様の親友の元カノで、ご主人様はアヤさんの彼氏役だった。
だから、ご主人様はアヤさんに恋愛感情はないと……。



