「一昨日も友達の家じゃなくて先生と一緒にいたんです……。
先生は、ご主人様が心配してるからって、私を帰そうとしたんです。
でも私が帰りたくないってワガママ言ったんです……。
嘘、ついててゴメンなさい……」
ご主人様の顔が見れなかった。
俯いたままの私の目に涙が溢れ、その涙がポロポロと布団の上にこぼれ落ちていった。
「凛子?顔上げて?」
私はゆっくり顔を上げた。
優しい笑顔で私を見つめるご主人様。
「泣かないで……」
そう言って、指で涙を拭ってくれた。
「帰りたくないって言ったのは、アヤがここにいたから?」
私は何も言わず“コクン”と頷いた。



