「ち、違うんです!」
私は上半身を起こした。
起こした体をご主人様の方に向ける。
「私と先生は、教師と元教え子の関係、ただ、それだけなんです。
だから付き合ってるとかそんなんじゃなくて……。
あの、うちの家って複雑な家庭なんで……そのせいで私、本当は友達もいなくて……。
イジメられたり変な噂を流されたりして……学校でも孤独で……その時に助けてくれたのが先生なんです……。
“何かあったら俺を頼れよ?いつでも連絡してくれていいからな”って、私に携帯の番号とメアドを教えてくれて……」
「そっか……そうだったのか……」
ご主人様は一点を見つめたまま、そう呟いた。



