どれくらい経ったんだろう……。
先生が唇を離した。
「…………ゴメン」
私だけに聞こえるように切ない声を出す先生。
先生は私の体を離した。
気が緩むと倒れてしまう。
気力だけで立ってる状態。
ゆっくりとご主人様の方を向くと、切ない顔をしてこちらを見てる。
「凛子?またデートしような」
さっきの切ない声を出してたのとは反対に今度は明るく、ご主人様にも聞こえるように大きな声でそう言った。
そして、先生は私の横を通り過ぎ、車に乗ってマンションを後にした。
先生が帰った後、急に体の力が抜けて、その場にペタンと座り込んでしまった。
張り詰めていた糸が切れて、目からポロポロと涙がこぼれ落ちていく。
「凛子!?大丈夫か?」
ご主人様が駆け寄り、私の体を支えてくれた。
次から次へと流れる涙。
漏れる嗚咽。
ご主人様が優しく私の体を包み込んで……。
そこで私の記憶が途絶えた――。



