「凛子?」 えっ? 明らかにご主人様の声とは違う声が私を呼んだ。 その声に、私の横を通り過ぎようとしたご主人様も足を止めた。 振り向いた瞬間、先生に腕を掴まれ、そのまま引っ張られた。 何が起こったのかわからない。 気がつくと、ご主人様の目の前で先生に抱きしめられていた。 胸が苦しい。 ご主人様が見てるから? それとも先生に抱きしめられてるから? 「凛子?」 先生に再び名前を呼ばれた。 名前を呼ばれたことに反応して顔を上げて先生を見た。 優しい笑顔の先生。