「自分からメールなり電話してみたら？」
「えぇ！い、いいよ～！」
私は首をブンブン左右に振った。
「どうして？」
「だって……」
まだ彼女と一緒かもしれないし……。
「女と一緒とか？」
「はっ？」
先生は私の心の中が読めるの？
「もし女といてもメールだけでもしてみたら？」
いいのかなぁ……。
そんなことを思ってると、携帯のメールの受信音が車に響いた。
いきなり受信音が鳴るから“ビクン”と跳ね上がった。
携帯を開くと、ご主人様からのメール。
【アヤは帰ったから、凛子も帰っておいで？】
そう書かれた簡素なメール。
だけどそれが、凄く嬉しかったんだ。
「先生？マンションの近くまで送って？」
「はいはい」
先生はそう返事をしてクスクス笑っていた。
