先生が連れて行ってくれたのはファミレス。
そのファミレスの喫煙席に向かい合わせに座る。
禁煙席がいっぱいで、喫煙席しか空いてなかった。
賑やかな笑い声。
タバコの煙で曇った空間。
「大丈夫か?」
「えっ?」
「タバコ、いやなんだろ?禁煙席が空くまで待つか?」
「ううん。大丈夫だよ。先生もタバコ吸うでしょ?遠慮しなくていいからね」
私はテーブルの端っこに置いてあった灰皿を先生の前に置いた。
「あ、うん、ありがとう……」
先生が苦笑いした顔で私を見る。
「それよりお腹空いちゃった。何食べようかな……」
私は明るくそう言って、メニューを広げた。



