「えぇ!そうなの!?」
「何?そんなに驚くこと?」
先生は手を頭の後ろに持って行き、チラッと私の方を見た。
「えー!だってさぁ……。先生から結婚って言葉が出るとは思ってなかったし……」
「俺のイメージってどんなんだよ」
「先生のイメージ?女慣れしてて、好きでもない女とエッチして……飽きたらポイって捨てそう……。それに結婚なんてめんどくさいって感じがして……それから……」
「もう、いいよ」
「えっ?」
話の途中で先生に遮られた。
「あのさぁ……佐々木……」
「何?」
「俺ってそんな風に見えるのか?」
「うん。だって見た目、遊んでそうだし。職業は先生ってよりホストって方が似合ってるし」
私が頷くと、先生は“はぁ”と溜め息を漏らした。
「あのな、俺は女慣れしてないし、好きでもない女とエッチはしたことないし、てか、したいとも思わないし、飽きたからポイってしたこともねぇよ。俺は、こう見えても好きになったら一途なんだよ。それに結婚願望だってあるし」
「えぇ!」
「何だよ。さっきからそんなに驚かなくてもいいだろ?」
先生はクスクス笑う。
「だって……」
先生が結婚して家庭を持って、子供がいて……なんてことは想像出来なかった。



