芝生の広場では、子供たちがボール遊びをしてたり、小さな子供がヨチヨチ歩いてたり、お父さんが子供と遊んで、傍でお母さんが笑顔で見てる。
そんな光景が目に飛び込んで来る。
家族っていいな……。
私は家族っていうものを知らない。
だから目の前に見える家族の光景が羨ましく思う。
「俺にも、あのくらいの子がいてもおかしくないんだよなぁ……」
「えっ?」
先生は、お父さんと遊んでる3歳くらいの女の子を目で追いながらそう言った。
「俺、今28よ?再来年には30よ?もし結婚してたら、あのくらいの子がいるのかなぁ?って……」
「先生、結婚したいの?」
「そりゃーなぁ……。もう歳だしさぁ。暗い部屋に帰るのも飽きたし……」
先生はそう言って、芝生の上にゴロンと寝転んだ。



