日曜日の動物園は子供連れの家族やカップルが多かった。
私と先生は周りから見ると、どう見えるんだろう……。
カップル?友達?兄妹?
まさか元教師と元教え子なんて誰も思わないよね。
「佐々木?」
「へ?」
そんなことを考えてると急に先生に呼ばれて変な返事をしてしまった。
「チケット買って来るからここにいろよ」
「あっ!お金……」
鞄から財布を出そうとした。
「いいよ。俺の奢り」
笑顔でそう言うと、先生はチケット売り場に行ってしまった。
チケット売り場に行く先生の背中を見つめる。
本当だったら……ご主人様と……。
今頃、ご主人様は……。
ダメダメ。
そんなこと考えちゃー……。
今日は先生と楽しもう。
ほんの数時間だけでも楽しもう。
私はチケット売り場にいる先生の元へと行った。



