部屋に戻ってきた先生は、いつもの先生になっていた。 部屋の片付けを終えた私はソファーに座っていた。 「何か飲む?」 「紅茶で……」 先生はキッチンに立ち、ケトルに水を入れて火にかけた。 「佐々木?仕事はいいのか?」 キッチンの棚からカップを出しながら先生が聞いてきた。 「うん。日曜日は休みだから……」 「そっか……」 「……うん」 これも嘘。 住み込みのメイドの仕事は主婦業と同じで休みなんかないのに……。