「で、ある時、アヤに言われたんだ……。“彼に振り向いてもらいたいから私と付き合って?彼氏役になって?”って。親友に嫉妬してもらいたいからって……」
「それで……ご主人様は……」
「断ったよ」
「えっ?」
てっきり引き受けたんだと思ったのに……。
「最初はね」
と、そうご主人様は付け加えてきた。
「親友を騙すようなことはしたくないし、親友が浮気をしてるなんてことも信じれなかったから……」
「じゃー……何で……」
「泣きつかれたんだよ、彼女に。男はさぁ、女の涙に弱いんだよ」
あっ……。
その時、先生に言われたことが頭を過ぎった。
先生も同じことを言ってた……。
先生の言ってたことは本当だったのかな……。



