「おはようございます」
父と母…それから、私の夫がテーブルを囲んでいた。

「おはよう、エリザ」
父は、ニッコリ微笑んで挨拶してきた。

椅子に座ると隣に座っていたロベルトが、私の空のティーカップに紅茶を注いでくれた。

「どうぞ、エリザ」

「ありがとう、ロベルト様」
私は入れ立ての紅茶を口に含んだ後、パンを一口大にちぎり、口の中へ入れた。



朝食を終えて、私は木崎から鞄を受け取ると真っ直ぐに玄関へと向かった。