空っぽのfifteen

中学に上がると、大抵の女子は胸が膨らみ、ブラジャーを着け、中には化粧もしている子もいた。

そんな女子に明美はちょっとした人気があった。


幼い頃は娼婦のような身なりだった明美も、アタシの成長と共にそれなりにまわりと足並みを揃えた身なりとなっていたこともあり、女子たちには【綺麗なお姉さん】的な存在だったようだ。


ただ、みんなは明美をアタシの母親だと思っていたが、アタシはそれを否定することはなかった。

否定することもめんどくさかったが、何よりも母親よりも母親らしく振る舞っていた明美は、育ての親にかわりはなかったからだ。

公立中学に通っているわけだから、転入生を除けば、みんな小学校からのつながりだったが、誰一人としてこの事実を知らない。

時々、家に遊びに来た子はいたが、母親は既に仕事にでかけていなかったし、その留守宅でもてなしをしてくれたのは、いつでも明美だったからだ。

明美が実は赤の他人などと疑う余地もないだろう。
そもそも子供だし、そんなことは気にもしなかったのだろうけど。