空っぽのfifteen

父母参観日も明美が来ていてくれた。

まぁ、水商売の女だから身なりが派手で、はじめの頃は来てくれることが煩わしかった。

同級生やその親からあーだこーだと色々言われることがめんどくさかったのだ。


しかしそれもアタシも歳を重ねるごとに、有難いことだと思えるようになった。
というのも、中には共働きで両親のどちらも来ていない子もいたからだ。

両親がいるにも関わらず、自分の頑張っている姿を見てもらえないのは、さぞ辛いことだろう。

それに比べれば、別に何も頑張ってはいなかったが、ただそこに明美がいてくれるだけで、救われた気がした。

更に歳を重ねると、ブタのように肥えて、増えていくシワを必死に化粧を塗り重ねて醜くなっていく母親連中が増えていく中、スラリとした体型でちゃんとセットした髪で小綺麗な出で立ちの明美が、誇らしくも思えた。