空っぽのfifteen

だから、夕方には店に向かって明け方まで働き、アタシが学校に行くときは既に死んだように眠っていたか、下手すればまだ帰ってきていなかったから、基本的には顔を会わすことがなかったのだ。

だから、ごく稀に顔を会わせると、疲れきった表情でアタシを罵る。

明美の話によると、アタシは父親似らしい。
自分を捨てた男によく似たアタシに憎しみをぶつけるのは、致し方のないことなのだろう。

そう割り切ってはいるが、腑に落ちない言い分がアタシにあるのも当然なワケで。

一度だけ母親にこの件で反論したことがある。


『ジャア、アタシガ死ンダラ、アンタハ幸セナノカ?』


当然だと思いもよらない、まさかのビンタが飛んできた。