空っぽのfifteen

朝夕の新聞配達に空いた時間は中華料理屋の皿洗い。
それも小遣いに毛の生えた程度の賃金だった。

それでも中学生の明美が働かせてもらえるだけでもありがたいことだった。

来る日も来る日も働き詰めの毎日。
学校へ行ってもただ寝るだけのためで、勉強なんか当然する暇もなければ、その気すらない。

そんな明美の態度に腹を立てた教師は、しばしば明美を居残りさせたのだが、その度に夕方の新聞配達に間に合わず、経営者にも怒鳴られ、散々な日となる。

そんなこんなで、『こんな理不尽な目に遭うくらいなら』と、週休1日の学生生活は逆転して、週休6日となってしまったのだ。

これが高校だったらまず留年なのだが、義務教育とは便利なもので、そんな出席状況でもちゃんと進級はできるものだ、と明美はくだらないことを誇らしげに自慢していた。