空っぽのfifteen

小学生とは時に残酷な生き物である。

明美はまだ7歳にも関わらず、 お昼過ぎに学校が終わると、まだ幼すぎる弟たちを保育所へ迎えに行く。

迎えに行った弟2人は、中近東人との混血なわけだから、やはり日本人よりも若干色黒く、目鼻立ちもお人形さんのようで、明らかに【純正日本人】ではない。

明美自体も目鼻立ちがハッキリはしていたが、系統が違う(明美はどちらかと言うと北欧系の彫りの深さである)。

当然子供でも親が違うと気付くのは一目瞭然で、素直さが凶器となり、『おまえら、父ちゃん違うだろ』と突っ込まれる。

違うから何だというのか?
明美は幼いながらも思ったそうだ。

父親が違うのは確かだが、父なき子であることにも変わりなく、明美も弟たちも同じ境遇なのだ。

しかし、わずか7歳にして、この心ない言葉を幾度となく浴びせられ、まだ自分の意思表示さえままならい弟たちの面倒を見ていた明美は、かなり立派なお子様である。

保育所の送り迎えと明美の母親が仕事に行っている間の面倒は明美が見ていたが、それ以外のことはしていてくれたらしい。

アタシの母親よりは、一応母親らしいと言うことだろう。