【短】好きな人には彼氏が。

「じゃあまたな!!」


「おう!!また連絡するー」


解散になり、皆バラバラに家を目指す。


いつもの俺ならベロンベロンに酔ってるか、もう一軒!!とか言ってんだけど。

今日は酔うこともできず、ただ考えてた。


気付けば俺も24で、そのほとんどの時間を花梨と過ごしてきた。


今更どうにかなるなんて、そんな図々しいこと思わねぇけど……

それでも、このままでいいとは思えない。


本気で気持ちだけでも伝えたい…!!




今のこの気持ちのまま行動しないとくじけてしまいそうで、俺は携帯の通話ボタンを押した。


いつもの機械音が妙に小さく聞こえる。

風も少し冷たい気がする。


『はい?』


「あ、花梨?話があるんだけど」


いつもより丁寧に声を振り絞る。

震えてて、みっともない声。


『あのね翔太…』