「あの..あなたの名前はなんですか?」


高校の入学式が終わって帰ろうとした途端、見知らぬ女に話し掛けられた。


「私は同じクラスの春宮 咲伎です。」


ニコニコと微笑みながら、その女は名前を告げた。



どうせコイツも心の中は...
..あれ..?

...汚い部分が見えない...


「僕の名前は冬沢 優稀。」



愛想笑いもせず、僕は小さく呟いた。