パフュームに繋がれて-紗枝の場合-



“紗枝がいなきゃ、やっぱダメだ俺”

なんて喜んでくれるユキヤを、どんどん好きになったんだ――





“私はユキヤの世話係になんてならない!1人で行けばいいじゃん”

“そんな風に思う訳ないだろ!?何でだよ?”



“…暫く考えたいから、電話もメールもして来ないで”


ようやく会えた時に受けたプロポーズに喜びもせず、それどころか彼を傷つけてしまったね。


時間が無いなりに作ってくれた貴重なトキを粗末にして、自分勝手もここまで来ると酷すぎる…。




「っく…、ごめ…」

すっかり片付け終えたリビングはユキヤの存在感を失わせるから、後悔だけが募って今頃情けない謝罪が出ていた。





「謝るのは俺の方だよ」


「…っ、え――?」