ユキヤの部屋に到着してガチャリとドアを開錠すれば、そこはシンと静まった真っ暗な室内。
どこか寂しいその光景が主の不在を物語るけど、ひとつ電気を点けて中へと進んで行った――…
「・・・なにコレ」
リビングの電気を点ければ、数日訪れていなかっただけで、散乱した洋服とゴミの山に呆れてしまう。
そう、ユキヤは仕事に関しては結構出来るヤツらしいけど、家事一切はとことんダメな人間だ。
まったく…、なんて思いながら、“彼の部屋に来たら片付ける”事が習慣として沁みついてる私。
床を埋め尽くす本や雑誌や新聞、そしてコンビニ弁当やビールの空き缶などのゴミを順々に拾っていく。
“だから嫌って言ったんだよ”
初めてこの部屋に入った時、明らかに戸棚に押し込みました的な惨状と彼の言葉に爆笑したんだっけ…。
やっぱり5歳上だと大人だなって思わされていたけど、ソレが一気に親近感を覚えさせて。
散らかった部屋に文句を言いつつ片付ける事も、何てコトの無い料理にも喜んでくれるから地味に頑張ったりして…。

