そうして付き合うようになってからは。
人並みっていうの?フツーに喧嘩もしながらのんびり過ごしてたのに。
この鬱憤が溜まり始めたキッカケは、まさに2ヶ月前から忙しくなったユキヤの仕事のせいだ…!
“紗枝、結婚しようよ”
憧れていた…、もとい密かに待っていたプロポーズを受けたのは数日前の事。
別にユキヤとならしても良い。いや、結婚するならユキヤが良いなと思ってたけど。
“OKならさ、俺と中国に行って欲しいんだ。向こうの生産管理者に正式決定したから”
この一言がバッサリ、“YES”と返事をする気力を失わせたんだよね。
ヤツの会社が中国の大連に進出したとは聞いてたけど、何とユキヤに大連赴任の話が出ているらしく。
赴任する時に都合がいいから、結婚する気になったんじゃないかって思えて悲しかったんだよ…―――

