パフュームに繋がれて-紗枝の場合-



ギュッと引き寄せてくれる彼の言葉も温かさも、自分の居場所が“此処”なんだって教えてくれる…。



「部屋…、片付けてくれてサンキュ」


「ふっ、だって…き、たなすぎ…」


「ハハ!やっぱ俺…、紗枝が居なきゃダメだな」


亜朱実に偉そうにアドバイスしてたクセに、あたしって本当にバカだね?



色々と勘繰って考えたり迷う必要なんて、初めから無かったのに。


どれだけ愛されてたかなんて、自分が一番分かってた筈なのに。



それに、いつでも自分の気持ちに正直である事が一番大切なんだね―――…




「ねぇ、裕喜也…」


「んー?」


「あたしも…、中国行こうかなー」


「…ホントか?」


彼の胸の中でポツリと呟いてみれば、ガバッっと勢い良く引き離された私の身体。