「小百合はなんにもわかってない。夜中に女が一人で歩いてたら危ないでしょ?」
目を伏せながら隼人の声を聞いていると、
「もし、誰かに襲われでもしたらどうすんの?」
私を抱きしめている腕の力がつよくなった。
途端に、廊下の壁の方に押された。手首が壁に押さえつけられて隼人の手によって固定される。
壁の冷たさがとても心地よく感じる。
「いっ、」
手首を掴んで押さえつけている隼人の手の力が強くなった。
「は、やと」
私は名前を呼ぶしかできなくて、この状況を理解するために頭をはたらかすので手いっぱいだった。

