Monsoon Town

翌日は、昨日の雨がウソのような晴天だった。

「おはよう」

スーツを着た陣内がリビングにいる北川とキッチンにいる藤堂にあいさつをした。

「おはよう」

藤堂と北川があいさつを返した。

陣内はソファーの近くに腰を下ろしている北川のところへ歩み寄ると、
「様子はどうだ？」

ソファーのうえで横になっている少女に視線を向けた。

陣内のスウェットを身につけて毛布をかけた少女は穏やかな顔で眠っていた。

さすがに裸じゃマズいと思ったので、陣内が少女に自分のスウェットを着せたのだ。

「熱も下がったし、体調の方も落ち着いてる」

少女の頬に手を当てながら、北川が言った。

「そうか」

陣内はホッとして返事をした。