Monsoon Town

陶磁器のように、透き通った白い肌。

弧を描く眉。

長いまつ毛。

小ぶりな鼻。

小さな紅い唇。

よく整った顔立ちに、陣内はつい見とれてしまった。

「陣内、飯ができたよ」

藤堂の声に、指に絡めていた黒髪を離した。

「ああ、悪いな」

そう言った陣内に、
「いつものことだろ」

藤堂は笑った。

「野菜スープを作ったんだ、これを彼女に」

「ん、ありがとう」

藤堂に礼を言うと、外に視線を向けた。

勢いは弱まったものの、雨はまだ降っていた。