Monsoon Town

少女が身につけている服は雨に濡れて、肌に貼りついたような状態になっている。

女の服を脱がせた経験はあると言えばあるのだが、さすがに今の状況は…何と言えばいいのだろうか?

「――今は、悩んでる場合じゃない!」

陣内は頭を振ると、濡れた服に手をかけた。

どうにか脱がせ終えると、バスタオルで少女の躰を包んだ。

「俺を恨まないでくれ」

未だに浅い呼吸を繰り返している少女に言うと、濡れた髪をバスタオルで包んだ。

「陣内、北川がきたぞ!」

バタバタと足音を立て、藤堂がリビングに入ってきた。

後ろから、カバンを持った男が入ってきた。

彼は医者の北川隆志だ。

「陣内、患者は?」

「彼女だ」

北川が少女に歩み寄った。