Monsoon Town

自宅に到着すると、陣内は投げるように靴を脱ぎ捨てて、バタバタと廊下を走ってリビングに足を向かわせた。

電気をつけると、少女をソファーに寝かせた。

「大丈夫か!?」

ソファーのうえにいる少女は、浅い呼吸を繰り返していた。

「陣内!」

たくさんのバスタオルを抱えた藤堂がその場に現れた。

陣内は藤堂の手からバスタオルを受け取ると、
「急いで北川を呼んでくれ」
と、指示を出した。

藤堂は首を縦に振ってうなずくと、リビングから立ち去った。

陣内はバスタオルで躰についた水滴をぬぐった。

ぬぐい終えると、陣内は少女の服に手をかけようとした。

「――ッ…!?」

(今、何しようとしてる!?)

陣内は戸惑っていた。