「相も変わらず、デカい家だな」

目の前の実家に向かって、藤堂は呟いた。

5階建もあるマンションのような大きな家である。

小学生の頃、友達を家に連れてくるたびに「デカい、デカい」と評されていた。

「お隣さんに比べたら、俺の家なんてまだマシなんだけどな」

ふうっと息を吐くと、藤堂は隣の家に視線を向けた。

そこには、まさに“豪邸”の言葉がよく似合う屋敷があった。

陣内の実家である。

「いつ見ても、すごいのは変わらない」

そう呟くと、藤堂は陣内の家の前まで歩いた。

(ちびまる子ちゃんの花輪くんといい勝負だな)

藤堂は心の中で呟くと、インターホンを押した。