不敵な笑みを見せる綾香だが、その心は勝負に燃えていた。

(陣内さんの心の中にいる人が誰であろうと、あたしは絶対にあなたを振り向かせてみせる…!)

心の中で、綾香は誓っていた。

陣内の心の中に、自分をいさせる。

それが、綾香の目標である。

彼の心の中に忘れられない人がいようと、誰がいようと、自分をいさせる。

欲しいものは必ず手に入れるのが当たり前だ。

それは、今の今まで自分がやってきたことである。

欲しいと思ったものは、必ず自分の手の中に収めていた。

この手に収まらなかったものは、この世に1つもない。

だから陣内を自分に振り向かせて、その心の中に自分をいさせる。

自分なしじゃ生きられないと、彼の口からそれを言わせようと綾香は思っていた。