Monsoon Town

日曜日の朝。

「後どれくらいでつく?」

運転する藤堂に陣内は質問を投げた。

「10分くらいだな」

そう答えた藤堂に、
「いよいよ、令嬢とご対面か…」

陣内はやれやれと息を吐いた。

「写真で見ただけだけど、なかなかのいいお嬢さんだったぞ。

しかも、陣内が通っていた学校の後輩だ」

「ほー、頭はよさそうだな」

「趣味も価値観も、陣内と話があうんじゃないか?」

そう言った藤堂に陣内はフッと笑うと、
「俺が気に入らないヤツだったら意味があるまい」
と、言い返した。

「――じゃあさ…」

それに対してもったいぶるように、藤堂は言った。