プロが施した化粧とアップされた髪は、とても大人っぽくてキレイだった。

「ひまわり」

陣内は最愛の人の名前を呼ぶと、自分の手を差し出した。

ひまわりは微笑むと、その手を繋いだ。

微笑みあっている2人は、誰から見ても幸せな光景だ。

「ねえ、伸一郎さん」

隣にいる夫に、綾香は声をかけた。

「ん?」

「どうして陣内さんは、ちゃんと名前があるのに“ひまわり”って呼んでいるんですか?」

そう聞いた綾香に、
「あいつの中では、“ひまわり”と言う存在は特別なんだよ」

微笑みながら、藤堂は返事をした。

それから、幸せな2人に視線を向けた。

☆★END☆★