目の前の彼を見下ろしているのは、自分の方が背が高いとかそんなものではないと思った。

彼はうつむいて、ポツリポツリと呟くように謝罪の言葉を述べていた。

「許してくれとは言いません。

自分のしたことは謝ったり、償ったりしたことで消えるようなことではないことはわかっています。

彼女が僕を許さないのもわかっています」

声が震えているのは、泣いているからだろうか。

「これを最後に、もう2度とあなたたちの前に現れません。

本当に、申し訳ありませんでした」

小さくなるように、彼は深く頭を下げた。

「――わかった」

そんな彼に、陣内は返事をした。