翌日の昼休みのことだった。

昼食にしようと会社を出た陣内を待っていたのは、日高だった。

「昨日は、すみませんでした」

陣内の前にくるなり、日高が頭を下げた。

「僕じゃミユを幸せにすることはできないと言うことが、わかりました」

ポツリポツリと、日高は言葉を発した。

「あなたを前にした彼女はとても幸せそうで、生き生きしてました」

そのことを思い出すと、胸がズキズキと痛んだ。

自分の前では怯えたような、怖がった表情を彼女は見せていた。

笑ってくれたことなんてなかった。

けど、目の前にいる彼の前では彼女は楽しそうに笑っていた。