Monsoon Town

熱風だけでも倒れそうだった。

暑さのあまり、気を失ってしまうんじゃないかと思った。

「遅かったな」

目の前にいる男――日高が言った。

「――ごめんなさい…」

小さな声で、ひまわりは謝った。

「それで、話って?」

「――別れて欲しいの…」

そう言ったひまわりに、驚いたと言うように日高が大きく目を見開いた。

「――わたし、陣内さんが好きなの…。

彼はわたしの恋人だから、別れて欲しいの」

そう言っている間も、日高の表情は変わらなかった。

「もう彰久のことは愛せない、だから…」

「――んなよ」