Monsoon Town

「――どうして…?」

声を震わせながら、ひまわりが言った。

「――わたし、彰久から暴力を受けて、レイプまで…」

陣内から目をそらすように、ひまわりはうつむいた。

「愛して、くれないですよね…?

彼氏にボロボロにされて…。

こんなわたしを、陣内さんは…」

そっと頬に手を触れて、ひまわりの顔をあげさせた。

唇に感じたのは、涙のしょっぱい味と柔らかい感触だった。

ほんの一瞬、触れただけだ。

初めて交わすキスのように、壊れものを扱うように、そっと彼女の唇に触れた。

離す時は、シールを剥がすようにゆっくりと離した。