Monsoon Town

何故、泣いているのだろうか?

「何かあったのか!?」

陣内は床のうえに座ると、ひまわりと目をあわせた。

「――陣内さん…」

震えた声で、ひまわりが言った。

「――わたし、全てを思い出しました…」

全てを思い出しました――その意味は、すぐにわかった。

「この前会った男の人は彰久と言う名前の人で、同じ施設で育った仲間で恋人同士で…」

話をしようとするひまわりを、陣内は抱きしめた。

「――陣内さん…?」

突然抱きしめられたことに戸惑ったひまわりだったが、すぐに胸をたたいた。

すぐに陣内は躰を離して、彼女を見つめた。