それは、あふれんばかりの自分の気持ちだ。

「ひまわりの過去がどうであれ、ひまわりはひまわりだ。

だから、俺はひまわりの全てを受け入れたうえで彼女を妻にする」

そう言った陣内に、
「そうか、お前がそう決めたなら俺は何も言わない」

静かに、藤堂が言った。


目の前で涙を流しているのは、ひまわりの恋人だった日高だった。

肩を震わせて、嗚咽を漏らしながら、泣いていた。

陣内は椅子から腰をあげた。

テーブルのうえにそっと1000円を置くと、カフェを後にした。

外に出たとたん、熱風が冷房で冷えた躰を包んだ。