そう言った陣内に対し、
「じゃあ、ミユを僕に返してください」

日高が言った。

「僕がミユの記憶を戻させてあげます」

そう言った日高に陣内は目を伏せると、
「それはできない」
と、言った。

「ひまわりは、俺の妻になる人だから」

「――妻…?」

「ひまわりは俺の恋人だ」

信じられないと言うように、日高が目を見開いた。

「そんなのムチャクチャだ!」

突然のように叫んだ日高に、
「ムチャクチャなのは、お前の方だ!」

陣内が言った。

「――お前は、ひまわりに暴行を行っていた」