藤堂は陣内の前に書類を差し出した。

「ひまわりの本名は、浅野心結(アサノミユ)――“心に結ぶ”で、“ミユ”と読むらしい」

「だからか…」

だから、あの男は彼女のことを本名である“ミユ”と呼んでいたのか。

「20歳の大学2年生だそうだ」

「他は?」

そう聞いた陣内に、藤堂は黙った。

少し黙った後で口を開くと、
「――後のことは、全て書類に記してある…けど、その後を決めるのはお前自身だ」
と、言った。

「―-その後…?」

それは一体、どう言う意味なのだろうか?