「何としてでも、ひまわりを早く救ってやりたいんだ。

闇の中から早く…」

陣内は両手で頭を抱えた。

彼女に対して何もすることができないと言うのが、心の底から悔しいと思っているようだった。

「俺の心の中にひまわりが光を照らしてくれたように、今度は俺がひまわりを助けたい」

大事な人を守りたい――陣内のその思いが、藤堂に伝わった。

「陣内」

藤堂は呼んだ。

「ひまわりのことを調べた」

藤堂はそう言って、テーブルのうえにクリアファイルに入った書類を置いた。

「朝倉があちこち聞き回って調べてくれたんだ」

そう言った藤堂に、
「朝倉――ああ、お前とゼミが一緒だったヤツか」

陣内は思い出したと言うように返事をした。