真っ暗で、何も見えない。

右を見ても、左を見ても、何も見えない。

「――陣内さん…?」

愛しい人の名前を呼ぶが、そこに返事はなかった。

恐怖――それが、ひまわりの心を支配していた。

自分は一体どこにいるのかだろうか?

どうしてこんな暗闇の中に自分はいるのだろうか?

わからない。

わからないから、怖くて仕方がない。

「――ミユ」

ふいに、誰かに名前を呼ばれた。

(--“ミユ”って、わたしのことを言っているの…?)

そう思いながら、恐る恐る呼ばれた方向に顔を向けた。