バタンと、玄関からドアの閉まる音が聞こえた。

「全く、うらやましいならうらやましいと言えばいいのに…なあ?」

首を傾げてひまわりに話しかける陣内に、
(――その仕草は反則です、陣内さん)

真っ赤な顔でそんなことを思っていたひまわりに陣内は気づかなかった。

「で、日曜日の話なんだが」

「行きます!

行きますから、はい!」

真っ赤にしながら早口で言ったひまわりに、陣内はプッと吹き出した。

そんな陣内に、ひまわりはますます顔を紅くさせるばかりだった。

(反則なのもいいところです、陣内さん…)

心の中でそんなことを言っていたひまわりを陣内は知らない。