Monsoon Town

「陣内さんが好きだから…。

陣内さんを愛しているから…。

そんなことしません…」

声にあわせるように、ひまわりの手も震えていた。

「――陣内さん…わたしが昨日流れ星に願った願い事は、何だと思いますか?」

突然のようにひまわりがそんなことを言った。

「――何だ…?」

そう聞いた陣内に、
「――陣内さんが幸せになれますように、って…昨日、流れ星に願ったんです」

ひまわりが答えた。

(俺が幸せになるように…?)

何でそんなことを願ったのだろうか?

そう思った陣内に、
「――陣内さんには、いつも笑って欲しいから」

ひまわりが言った。