そう言った藤堂に、ひまわりは訳がわからないと言うように首を傾げた。

「あいつを好きなら、あいつを愛しているんだったら、あいつのそばに行ってこい」

そう言った藤堂にひまわりは首を縦に振ってうなずくと、ソファーから腰をあげた。

ひまわりがロビーを飛び出した。

何で最初から、気がつかなかっただろうか?

3人の中で、ひまわりが誰よりも陣内を思っていたことに。

3人の中で、ひまわりが誰よりも陣内を愛していたことに。

まっすぐに彼を思い、まっすぐに彼を愛していた。

(ひまわり、お前が陣内を探して引き止めてくれ…)

ひまわりの背中が見えなくなっても、藤堂は祈りながら見つめていた。