Monsoon Town

近寄れそうで近寄れない、触れそうで触れられない――まさにそんな感じだと、那智は思った。

「やっぱり、お嬢様だねー」

「コンビニの前にいる若者とは大違い」

「って言うか、こんなすごいとこに泊まるなんて…さすが、周のお嬢様だわ」

あちこちのテーブルから、彼女への好奇な話が聞こえてきた。

さまざまな人から、彼女に好奇の視線が向けられる。

特に、男性社員が彼女に向ける目は下品極まりなかった。

そう言えば、自分が大変身した時も1週間くらいはあんな目で見られていた。

あまりの態度の豹変に、吐き気を感じたのを今でもよく覚えている。

けど…彼女はそんな噂も目も気にしていないと言うように、威厳ある態度をとっていた。