Monsoon Town

『周財閥』と言えば、日本を代表する大きな会社である。

「ホントだー、周のお嬢様だ。

こんなところへ何しにきたんだろう?」

そっと、那智は視線を向けた。

「――あっ…」

その人物に、那智は持っていたトーストを落としそうになった。

忘れるはずがない。

見間違えるはずがない。

「彼女だ…」
と、那智は呟いた。

何日か前に、一緒のエレベーターに乗った彼女だった。

(あの子、いいところのお嬢様だったのね)

彼女の躰から出てくる独特の雰囲気は、お嬢様としての威厳と言うものだろうか?