Monsoon Town

夫婦かと思った。

朝食の会場に入ってきた陣内とひまわりを見た瞬間、那智は思った。

2人は楽しそうに会話をしていた。

それはまるで、本物の夫婦みたいだった。

目玉焼きを乗せたトーストをかじりながら、那智は目の前の光景を見ていた。

同じテーブルで陣内とひまわりは朝食を食べていた。

それが当たり前なのか、2人は楽しそうに話しながら食べている。

夫婦は夫婦でも、あの2人の場合は熟年夫婦だな。

自嘲気味にそんなことを思いながら、那智はトーストをかじった。

「ねえ、あの子『周財閥』のお嬢様じゃない?」

その声に、那智は朝食を食べていた手を止めた。